2003年頃 歩く恐竜づくりの起源

2003年7月、原宿・国立代々木競技場オリンピックプラザ特設会場にて「ジュラシックパークインスティテュート」が開催。

ロボットの恐竜や映画撮影で実際使われた恐竜のフィギュアなどが展示された。しかし、何か物足りない。「恐竜には自由に歩いて暴れ回ってほしい」と映画の世界に入り込んだような感覚を味わいたかったのだ。そうした恐竜体験ができないのであれば、自分たちで作ろうではないか――。これが歩く恐竜を開発するきっかけ。ここから"歩く恐竜"の構想が始まる。


試行錯誤を重ねる制作者

2004年頃 孤独な戦い

周りの理解が得られず、冷たい視線を感じながら試行錯誤を開始。作っては試し、試しては作って、いくつものパーツを試作した。


2005年 ヤングアロサウルス1号制作開始

恐竜制作のために所沢の大きな旧鉄工所を借りる。
制作者たちは「有限会社ON-ART」を設立し、無謀にも全資金を恐竜制作にそそぐ。

そして、ついにヤングアロサウルス1号制作に着手。 造形師の方々の協力を得ながら、真冬の極寒の中、恐竜づくりを進めた。


2006年 完成の歓喜・失意を乗り越えての特許申請

プロトタイプが完成

春頃。ついにアロサウルス1号がほぼ完成。歩く姿を見た制作者たちは皆で歓喜した。
しかし、膨大な制作費によって会社は借金が膨らみ、身動きが取れない状態に。

初夏、取引先から「こどもの日」のイベントでのデモンストレーションの依頼を受ける。不完全な部分を含め、実際に使えるように内部機構を大改造。出演の前日に制作者が入院するなど、冷や汗の出るデモンストレーションに。


夏頃、「Walking with Dinosaurs」という動く恐竜のイベントが海外にある事を知る。

「開発した恐竜が二番煎じと捉えられはしないか」という疑念に駆られ、失意のどん底に落ちる。 しばらくの間、恐竜を見るのも辛くなった。

しかし、その後に「Walking with Dinosaurs」は恐竜ロボットを電気自動車の上に乗せ、歩いているように見せる仕組みであることが判明。小型の恐竜には、操作している人間の足が堂々と見えているものも。

ON-ARTの機構・コンセプトとは全く違ったものだった。ON-ARTのコンセプトは「まるで生きているような恐竜を体験すること」。動かす構造や機構は見ることはできないつくりだ。自信を取り戻した制作者たちは、すぐに自分たちの機構を特許申請することに。

研究者の前で堂々たる姿を見せる

2007年 アロサウルス1号ついにデビュー

夏、名古屋の恐竜博の開会式への出演が決定。200人を超える古生物の研究者の前での出演だった。
初舞台が恐竜の専門家200人の前となったが、なんと先生方からは大盛況。そして、ここでの評価が翌年の東京、新潟での恐竜博の出演につながる。


予想外の人気で追加公演も

2008年 恐竜博長期出演そして本格始動

「恐竜博」への長期出演をはじめ、ショッピングモールや企業のプライベートイベントなどの出演も決まり、恐竜は本格始動。

出演と出演の間も寸暇を惜しみ、少しずつ機構やフォルムおよびライブの演出を改良。たくさんの人の目に触れることで「なんとかもっとリアルに」という思いがつのる。「5分でもっといいものを」そんな気持ちで改良を重ね、恐竜は日々刻々と成長を遂げた。

制作者一同は、恐竜を制作するだけでなく、出演現場に行って恐竜と共に飼育員として出演。制作した恐竜がお客様の前へ歩いていく時、その時、その場で、恐竜をコントロールし、恐竜が人間にとってどんな存在なのかを直に感じている。観客の皆さんの「歓喜と恐怖と驚き」が恐竜制作の重要な要素といえるからだ。

ここから、「現場に出演しないと恐竜制作には携われない」という会社のポリシーが生まれる。

2009年 ラプトル、ヤングアロサウルス2号制作

春、全長3.5mの小型肉食恐竜「ラプトル」の開発を始動。小さなサイズならではの難しさを痛感。前回の制作の際に費用を使い過ぎたことがトラウマとなり、他の仕事の合間で制作することで悪循環に。デビューまで半年以上を費やした。

恐竜本体と、「大きな恐竜を安全に動かす演出システム」で2009年東京都ベンチャー技術大賞特別賞を受賞。


東京都ベンチャー技術大賞特別賞受賞

表彰式では、石原都知事(当時)に喜んでいただき和やかなムードに。

表彰式会場の展示はこの年制作したヤングアロサウルス2号。最初につくられたヤングアロサウルス1号を第1世代とすると、このヤングアロサウルス2号は第2世代ともいえ、より大型で軽量化し、操作性がさらに向上したモデルとなった。


2010年 恐竜のシリーズ化

恐竜のシリーズ化をめざし、今までの2足歩行恐竜だけではなく4足恐竜の開発。そして、2足歩行のサイズアップを目標にした。

資金繰りのために、東京都の新製品新技術開発助成制度に応募。書類審査、そしてプレゼンテーション。膨大な書類を提出。


プレゼンでの紆余曲折はあったものの、無事に審査を通過。都の助成を受けられるようになり、ティラノサウルスとステゴサウルスの制作が可能に。恐竜シリーズ化に向けてのベースになる恐竜の機構開発に成功した。


2011年 2011年 次なるステップ

全国各地で開催した興行「恐竜ライブショー」を、総合的な恐竜体感プロジェクトへ進化。新たに「DINO-A-LIVE(ディノアライブ)」としてスタートをきった。ON-ARTのさらなる恐竜体験の探求が始まる。

2012年 恐竜制作第3世代

1月、制作者は恐竜開発により経済産業省関東経済産業局管内の「第4回ものづくり大賞」の優秀賞を受賞。そして、「第3世代恐竜開発」として新しい機構を備えた新型の恐竜の開発に着手している。


2013年 量産化計画始動

それまでに得られた恐竜制作のノウハウを統合し、アロサウルス2頭の同時制作に着手。操作機構や可動構造をほぼ完成させ、汎用化に成功。



2014年 第3世代ほぼ確立

量産化に成功したアロサウルス達が大活躍。日本の恐竜研究の聖地「福井県勝山市」での恐竜ライブイベント開始。以降、夏の定番イベントとなる。


2015年 恐竜の頭数が充実、全国各地で大暴れ

バラエティー系・教育系のTV番組やイベント等に多数出演。大物ミュージシャンのコンサートツアーなどにも参加。



2016年 デビュー10周年 更なる飛躍をめざす

ON-ARTが目論む今後の展開

現在は、「第3世代恐竜開発」の真っただ中。将来的には15~20頭のさまざまな恐竜が出てくる大規模なイベントやテーマパークの実現を目指し、日々奔走している最中だ。ON-ARTは、まだまだ輸入業者や代理店に間違えられることも多い。しかし、独自コンテンツとして恐竜制作に励み、所沢から始まった日本の一企業として世界に通用するコンテンツをこれからも作り続けていきたいと考えている。

DINO-TRONICS 受賞・特許について

特許取得状況

恐竜を含む大型の動物の着ぐるみ(1名2足歩行) 日本 特許第4295297
アメリカ特許No.7997991
オーストラリア特許No.2007349771
中国特許No.2007 8 0100347.1
韓国特許 第10-1155547
EU特許取得 登録番号2070571
スイス、ドイツ、スペイン、フランス、イギリス、イタリア
恐竜を含む大型の動物の着ぐるみ(2名4足歩行) 日本 特許第4809495
外国 PCT出願済み、各国移行中

受賞

2009年 東京都ベンチャー技術大賞特別賞受賞
「大型リアル歩行恐竜ヤングアロサウルス」
2012年 経済産業省関東経済産業局管内「第4回 ものづくり日本大賞」にて
ON-ART代表取締役 金丸賀也 が優秀賞を受賞
2012年 発明協会関東地方発明表彰
中小企業庁長官奨励賞を受賞

助成

2007年 東京都中小企業振興公社
平成19年度外国特許出願費用助成対象
2009年 東京都中小企業振興公社
平成21年度新製品新技術開発助成対象製品
「ティラノサウルス」「ステゴサウルス」
2012年 東京都中小企業振興公社
平成24年度外国特許出願費用助成対象